6月6日は何の日かご存知ですか?「補聴器の日です」。3月3日=耳の日に、聞こえを補う補聴器を2つつけるためとか、補聴器を耳につける形に似ているからと言われていますが(ちなみに人工内耳の日は9月9日だそうです。)、そんな日に本校では大変な出来事がありました。
まだ薄明るい夜の7時10分頃、遅番勤務で残っていた学校技能員の一人が、学校の西側にある田んぼを民家の方へ向かって歩いている熊を見つけました。事務部長にすぐに報告し、事務部長も確認したため、周囲への注意喚起が必要と考え、警察に通報しました。
警察が来て話をしているときに、村特の職員が翌日の運動会準備の確認のために体育館へ行こうとしたところ、プールの近くの渡り廊下のガラス(両側)の破損に気づき、本校に連絡が入りました。すぐに行ってみると、ガラスに泥の跡がついていたり、熊の毛と思われるものがガラスに付着していたりしたので、先ほど見つけた熊が本校の校舎外から侵入し、ガラスを割った後に川の方へ去って行ったのではないかと推測されました。(熊に詳しい山形市の環境課の方の話より)
何より、子どもたちのいない時間で良かったと思いましたが、もし校内に廊下を通って侵入していれば、残っていた職員と鉢合わせになったのではないかと考えるとぞっとしました。
また、本校には寄宿舎がありますので、寄宿舎に泊まっている子どもたちが不安にならないよう、渡り廊下や階段の所にある「防火シャッター」を全部閉め、もし熊が戻ってきても2階や3階の居室には入れないように対応しました。
その後の状況は、マメールでの注意喚起や新聞やテレビのニュース等でご存知かと思いますが、登下校時の教員によるパトロールを行い、外での活動は自粛するようにしました。本日は周囲もだいぶ落ち着いてきた様子が感じられました。
この時期は、お腹のすいた熊が活動を活発にして、サクランボやブドウの実を食べ荒らすことが多いのだそうですが、まさか町の中の本校に熊がやってきて目撃する(私自身は見ていませんが)ことになるとは想像もしていませんでした。
幸い、学校の周囲には食べ物もなく、痛い目にもあったので、人間が嫌いな熊は二度と来ないだろうということですが、他の熊や動物が再びやってくる可能性は0ではありません。(どこの学校も同じだと思いますが)
とりあえず侵入してきたと思われるプール脇の個所に学校技能員が網を張りましたが、今後の安全対策については県教委とも相談しながら進めていきたいと思います。
安全で安心な学校というのは何よりも大切な使命ですから、今回のことを教訓としながら、今後も地域の方々とも連携を深め様々な対応を図ってまいります。ご協力のほど宜しくお願い致します。
令和元年6月10日
山形県立山形聾学校校長 大原 良紀