昨日は七夕でした。皆さんはどんなお願いをしましたか。現状のコロナ禍が少しでも早く終息しますようにと願った方は多いのではないでしょうか。私も同様ですが、もう一つ「自然災害が少しでも減り、被災者がこれ以上増えませんように。」と願いました。
現在、九州全域で大雨による水害や土砂災害が起こっており、多くの尊い人命が失われています。線状降水帯の影響で、大雨特別警報は岐阜県や長野県でも出されています。昨年度もこの時期には鹿児島県で経験したことがない大雨での災害が起きました。また、本県でも鶴岡市の温海地区での地震災害を覚えている方も多いと思います。
毎年、毎年、経験したことがない大雨による被害が報道され、被害の状況を目の当たりにすると心痛むばかりです。何があっても不思議ではない世の中になったと痛感させられる状況が続いています。命より大切なものはありません。感染症対策も含め、常にアンテナを高くして危険を察知し、自分の命は自分で守るという意識をより高めてまいりましょう。
本日は、本校の93回目の創立記念日です。例年ですと、来賓をお呼びし体育館で式典を開催しますが、今年度は現状を鑑み、式典は執り行わず学級や学部での指導としました。また、式辞や生徒代表の挨拶は、紙面で配布とし、お祝いの菓子として全員にNPO法人「らっふる」のクッキーを配りました。
昇降口前には、50周年~90周年の記念誌やアルバム等を展示し、過去の本校の歴史や伝統を振り返られるようにしています。私が過去に勤めていた時期の写真が70周年や80周年の記念誌に出てきますが、それらを見つけた生徒から「校長先生痩せていたね。」と言われたときは、うれしいやら恥ずかしいやらでした。
本校は今まで、進学や就労、文化面やスポーツ面等で数多くの功績を積み重ねてまいりました。それらは現在に至るまで歴史と伝統となり受け継がれておりますが、今実際に生活しているこの校舎の中で、「明るく」「強く」「伸びゆく」歴史と伝統を感じることができると思います。
例年なら今頃は、新学期になってから3か月余り過ぎ、運動会、交流及び共同学習、就業体験等を終え、1学期のまとめに向けて自己評価や今後の課題等を整理している時期です。しかし、今年度は、新型コロナウイルスの影響により中止や延期を余儀なくされました。また、学習の遅れを取り戻すために、7月いっぱいを1学期へと変更し、暑さに負けずに取り組んでいかねばなりません。
未曽有のことが起きうる未来社会において、今年度のようなことがないとは言えません。経験したことがなくても、自分で考え、自分で正しく判断し危機を乗り越えていく「生きる力」を身に付けていけるよう、今日からまた一緒に頑張っていきましょう。そして、新しい歴史と伝統をまた作っていきましょう。
令和2年7月8日
山形県立山形聾学校 校長 大原 良紀