昨日は、令和2年度卒業証書・修了証書授与式でした。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの行事等が中止や縮小を余儀なくされる中、卒業生の保護者(2名まで)や在校生・教職員全員の参列で行うことができました。来賓はPTA会長と、隣接している村山特別支援学校長の2名だけでしたが、例年と大きく変わらない体制の下、緊張感があり厳粛な中で式が挙行されたことは、大変喜ばしいことです。
ここまでの様々な感染症対策が功を奏し、コロナ禍でもやるべきことはできるという意識が高まっており、来年度の教育計画に関しても自信をもって進められると思います。
当日の式は、マスクの着用や、国歌・校歌の大声を避ける適用、門出式での応援の仕方など、教職員も子ども達も安全安心を第一に、かつ充実感や達成感を味わえる演出を考えて実践できたことに、生きる力の高まりを感じることもできました。
以下に、私の祝辞と、この春から天童木工さんにお世話になる専攻科2年生の答辞を掲載します。
<校長式辞>
花屋の店先に並んだいろいろな花を見ていると、春の訪れを身近に感じるようになりました。この佳き日に、本校PTA会長〇〇様、村山特別支援学校長 岡崎祐治様のご臨席を賜り、令和二年度「山形聾学校卒業証書並びに修了証書授与式」を挙行できますことに、厚く御礼申し上げます。
幼稚部から高等部専攻科までの八名の卒業生・修了生の皆さん、本日は誠におめでとうございます。ただ今皆さんに授与した証書には、それぞれの学部で一生懸命頑張ってきたことが、思い出や成果としてたくさん詰まっていることでしょう。
皆さんは、毎日元気に本校に通い、友達と仲良くしながらたくさんのことを学び、成長してきました。今年度はコロナ禍で、活動が制限される中、児童・生徒朝会や修学旅行、山聾祭などで、元気な声やはつらつとした姿が見られたことは、大変うれしく思いました。
また、身体的な接触や会話が困難になる中、心の触れ合いを大切にし、相手を思いやる気持ちが普段よりも育ってきたと感じました。「ありがとう」という感謝の言葉を、今年度ほどたくさん耳にした一年は今までなかったと思います。
今この場で、堂々とした姿を披露することができるのは、家族はもちろんですが、学校の先輩方や地域の方々など、多くの人に支えられてきたからです。四月からは、新しい生活や学習が始まりますが、感謝の気持ちを忘れずに、自分の夢や目標に向けて努力を続けていけば、力を貸してくださる方々は、ますます増えていくことと思います。未来永劫、持てる力を存分に発揮していくことができるよう、心より願っています。特に、社会に旅立つHさんが、活躍を報告に来てくれる日を楽しみにしています。私たちはいつまでも皆さんの応援団です。
さて、晴れてお子様の卒業・修了の日を迎えられました保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。また、安全安心な学校生活が送られるよう、これまで本校の教育を支えていただき、感謝申し上げます。これからも引き続き、卒業生や在校生を支えていただくと共に、本校の教育にご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。また、本日ご臨席を賜りましたご来賓の皆様にも重ねてお願い申し上げます。
最後になりますが、八名の卒業生・修了生の前途、並びに本校幼児児童生徒全員の幸せと、本日ご参会の方々のご健勝とご発展をお祈りし、式辞といたします。
<答辞>
厳しかった冬も過ぎ去り、日増しにあたたかな春の風を感じるようになりました。新型コロナウイルスが流行し、様々なイベントや式が中止になり、無事に卒業式・修了式を迎えられるか心配はありました。その中、今日この日私たち卒業生・修了生のためにこのように厳かで、晴れやかな式を挙行していただき、心より感謝申し上げます。これからの未来へ、無事に旅たちの日を迎えることができ大変、うれしく思います。
本校に入学し、成長できたことは自分に自信がついたことです。私は専攻科に入学したばかりの頃は、2年間の中で将来のことをしっかり考えられるか、決められるか心配でした。入学してから多くの先生方に、将来へのアドバイスをいただいたり、就業体験でいろいろな仕事を体験させていただいたりする中で、少しずつ自分の課題克服に向け努力することができました。
また、昨年度、専攻科は2名なので、劇を演じることは難しく、新たな方法を探しました。その結果、友達と試行錯誤をしながら動画と演劇を合わせた作品を製作しました。当初はうまくいくか不安でしたが、最後までやり遂げた充実感などもあり、自分への自信につながりました。
私たち卒業生、修了生はそれぞれが新しい道へ進みます。新しい生活への期待と不安が入り混じると思います。これまでに培ってきたもの全てをこれからの人生に活かし、どんなに辛いこと、困難があっても、前を向いてこれから先、未来へ歩んでいきます。私たちを支えてくださった先生方、在校生、そして家族のみなさん、ありがとうございました。今後とも変わらず、ご指導くださいますよう、心よりお願い申し上げます。最後になりましたが、校長先生をはじめ、諸先生方のご健勝と、本校のさらなる発展を祈念し、卒業生・修了生の答辞といたします。
未曽有の1年が明日で終了です。ご協力・ご支援ありがとうございました。来年度もよろしくお願いいたします。
令和3年3月18日
山形県立山形聾学校 校長 大原 良紀