4月21日(火)に、令和2年度の始業式と入学式が行われ、ようやく山形聾学校の新学期がスタートしました。3月から休校が続き、卒業証書・修了証書授与式も少人数に分かれて縮小しての開催でした。今年度は、新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと行い、4月7日に開校し、始業式・入学式を行う予定でしたが、山形県への感染の広がりにより、急な延期となってしまい、ご迷惑をおかけしました。特に前日に寄宿舎に戻った児童生徒には大変申し訳ないと思っています。ご理解をいただき逆に温かい言葉をいただいた保護者の方々には感謝でいっぱいです。
開校できずに引続き休校が続きましたが、その間に、聴覚障がい児及びその家族へ支援する組織の「ゆずりはの会」の小学部の保護者の方から、手作りのマスクを子ども全員分いただきました。幼児児童生徒一人一人の顔の大きさに配慮し、なんと7サイズもありました。しかも三枚重ねで、布の間にハンカチなどを挟んで使用できる非常に手の込んだマスクです。マスク不足のこの時期に大変貴重なものをいただき、本当に感謝しています。
改めて、学校とは、保護者や地域の方と共に育っていくものだと思いました。今思うと、毎年日めくりカレンダーを大量に寄贈してくださる小学部の保護者のお陰で、幼稚部や小学部のカレンダーワークが非常に効果的に進められています。また、ゆずりはの会の方々は、最早期教育相談のひよこ教室に、読み聞かせや保育のお手伝いにボランティアで来てくださっています。今回、一斉メール等を使い急な連絡や変更などにもかかわらず、すぐに対応してくださった保護者の方々も含め、学校だけではできないことも、ご協力のお陰で様々なことをスムーズに進めることができています。
本日の始業式や入学式で話をしましたが、命より大事なものなどありません。その為には、今後も予定していたことが大きく変わることがあると思います。子ども達の安全・安心の為に、一層のご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本日の入学式も来賓や在校生が不在でしたので、校長式辞を以下に示します。
暖かな春の光が学校を包んでいます。本日、保護者の皆様のご臨席の中、令和二年度山形県立山形聾学校入学式を挙行できますことに、心からうれしく思います。
幼稚部二名、小学部二名、中学部一名、高等部五名、専攻科二名、合計十二名の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。本日から、それぞれ新しい学校生活が始まります。
幼稚部や小学部に入学する皆さんは、どんな楽しいことが待っているのかと希望に胸がいっぱいの事でしょう。お友達や先生と一緒に、たくさんの宝物を見つけてください。
中学部や高等部、専攻科に入学する皆さんは、自立と社会参加に向けて、生きる力を確実に身に付けなければなりません。自分の将来を見据え、目標達成に向けて精一杯チャレンジしてください。
知・徳・体がバランスよく調和された「人間力」を磨いていけるよう、今日から一緒に頑張りましょう。皆さんの日々の努力に期待します。
現在、新型コロナウイルスの感染者が、東京や大阪だけでなく本県でも増えてきております。どこに危険が潜んでいるか分からない状況です。一番大切なのは、命の安全です。命より大事なものなどありません。自分の命は自分で守るという考えを強くもち、感染症対策などには毎日しっかり取り組みましょう。
保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。世の中がこのような状況ではございますが、子ども達が安心して学校生活を送れるよう、様々な安全対策を講じながら進めてまいりますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
また、子ども達一人一人の個性を大切にし、「豊かなことばと自立の力を育む」という本校の教育目標の実現に向け、全教職員が一丸となって努めてまいります。
結びにあたり、これから始まる学校生活の中で、幼児児童生徒がのびのびと大きく成長することを期待し、式辞といたします。
入学式や始業式等の児童生徒代表の挨拶もそれぞれ素晴らしかったので、次回からの校長室だよりで紹介していきたいと思います。
今年度もよろしくお願いたします。
令和2年4月21日
山形県立山形聾学校 校長 大原良紀